ネット広告を始める前に。中小企業がホームページで確認したい5つのこと
Web広告を出せば、ホームページへのアクセスは増やせます。
しかし、広告をクリックした人がホームページを見て、「自分が探していた内容と違う」「この会社へ相談してよいか分からない」と感じれば、問い合わせにはつながりません。
広告の画像や文章、検索キーワードを考える前に、クリックした人を受け止めるページが整っているかを確認する必要があります。
結論から言うと、ホームページ全体を必ず作り直す必要はありません。
広告で紹介するサービスと、クリック先のページの内容を一致させ、実績、問い合わせ方法、効果測定を整えることが先です。
中小企業がネット広告を始める前に確認したいのは、次の5点です。
- 広告とクリック先の内容が一致しているか
- スマートフォンで問題なく見られるか
- 実績と選ばれる理由が伝わるか
- 問い合わせ方法が分かりやすいか
- 広告の成果を確認できるか
広告を出すだけでは問い合わせは増えない
広告の役割は、商品やサービスを探している人に会社を知ってもらい、ホームページへ来てもらうことです。
広告だけで、会社への信頼や問い合わせの判断をすべて作れるわけではありません。
例えば、「工場設備の修理に対応」と書かれた広告をクリックしたのに、会社概要しか載っていないトップページが開いたらどうでしょうか。
訪問した人は、次のことをすぐに判断できません。
- どのような設備に対応できるのか
- 対応できる地域はどこか
- 緊急対応は可能か
- どのような会社なのか
- 過去にどのような対応をしたのか
- どこから相談すればよいのか
必要な情報を探さなければならないホームページでは、広告で人を集めても離脱される可能性があります。
Google広告でも、広告とクリック先のページに一貫性があり、訪問者にとって関連性と有用性のあるページにすることが推奨されています。Google広告の公式ガイド
広告を始める前に、「クリックした人が次に知りたいこと」をホームページで答えられているか確認しましょう。
1.広告とクリック先の内容が一致しているか
最初に確認したいのは、広告で伝えている内容と、クリック先のページが一致しているかです。
例えば、次のような広告を出すとします。
- 特注部品の小ロット加工
- 工場設備の修理
- 店舗の内装工事
- 法人向け定期清掃
- 現場監督の採用
- 補助金を活用した設備導入支援
このとき、広告のクリック先をすべて会社のトップページにする必要はありません。
特注部品の広告なら、対応できる材質、加工方法、ロット数、実績、相談方法が分かるページへ案内します。
採用広告なら、事業内容だけでなく、仕事内容、働く環境、募集条件、応募方法が分かる採用ページへ案内します。
広告を見た人が期待している内容と、クリック後に表示されるページの内容が違うと、問い合わせにはつながりにくくなります。
次の点を確認しましょう。
- 広告で紹介したサービスがページの最初に書かれているか
- 対象となる顧客や地域が分かるか
- 広告で伝えた条件や特徴を確認できるか
- 次に何をすればよいか分かるか
- 関係のない情報を探し回らなくてよいか
広告の文章だけを改善するのではなく、クリックした後のページまで一つの流れとして設計することが大切です。
2.スマートフォンで問題なく見られるか
広告を出す前に、クリック先のページをスマートフォンで開いて確認します。
パソコンでは問題なく見えても、スマートフォンでは次のような問題が起きていることがあります。
- 文字が小さくて読めない
- 写真が画面からはみ出している
- メニューを開けない
- 問い合わせボタンが押しにくい
- 電話番号を押しても発信できない
- 入力フォームが使いにくい
- ページの表示に時間がかかる
- 閉じられない案内画面が表示される
特に、現場や移動中に会社を探す人は、スマートフォンからアクセスする可能性があります。
社内のパソコンだけで確認せず、実際のスマートフォンで広告から問い合わせまでの流れを試しましょう。
Google広告でも、クリック先は正常に動作し、利用者が操作しやすく、目的の情報へ移動しやすい状態であることが求められています。Google広告のリンク先要件
デザインの新しさよりも、必要な情報を読めて、迷わず操作できることが重要です。
3.実績と選ばれる理由が伝わるか
広告をクリックした人は、広告の言葉だけで問い合わせを決めるわけではありません。
「この会社に相談して大丈夫か」を判断するために、ホームページの情報を確認します。
中小製造業や建設業であれば、次のような情報が判断材料になります。
- 対応できる製品、工事、業務
- 得意な分野
- 対応地域
- 設備や技術
- 過去の実績
- 具体的な相談事例
- 仕事の進め方
- 会社の所在地
- 担当者や働いている人
- 許認可や資格
- 問い合わせ後の流れ
立派な文章を増やす必要はありません。
広告で紹介しているサービスについて、実際に対応できることを示す情報が必要です。
特に写真は、素材写真だけではなく、自社の設備、製品、施工、スタッフなど、実際の仕事が分かるものを使います。
素材写真と実績写真の使い分けについては、ホームページの素材写真だけで実績は伝わる?施工事例とターゲットを見直す方法でも解説しています。
ただし、顧客名、図面、製品情報、現場の住所など、公開してはいけない情報が写っていないか確認してください。
4.問い合わせ方法が分かりやすいか
広告を見た人が相談したいと思っても、問い合わせ方法が分からなければ行動できません。
クリック先のページには、少なくとも次のいずれかを分かりやすく表示します。
- 電話番号
- 問い合わせフォーム
- メール
- LINE
- 予約フォーム
- 資料請求
問い合わせ方法を増やせばよいわけではありません。
会社が実際に対応できる方法を選び、誰が確認し、いつまでに返信するかを社内で決めます。
フォームを設置する場合は、入力項目を増やしすぎないことも大切です。
最初の相談で必要な情報に絞り、詳しい内容は返信や打ち合わせで確認する方法があります。
また、フォームを送信した後に、受付完了画面や自動返信メールが表示されるかも確認します。
問い合わせフォームを設置しただけで、送信テストをしていないケースもあります。
広告を開始する前に、自分たちで実際に問い合わせを送り、社内へ通知が届くところまで確認しましょう。
5.広告の成果を確認できるか
広告を出した後は、アクセス数だけでなく、問い合わせにつながったかを確認します。
広告をクリックした人数が増えても、問い合わせが増えていなければ、改善すべき場所があります。
広告の成果として確認する行動には、次のようなものがあります。
- 問い合わせフォームの送信
- 電話番号のクリック
- 資料のダウンロード
- 予約の完了
- 採用への応募
- 見積依頼
- 特定ページの閲覧
Google広告では、このような事業上価値のある行動をコンバージョンとして計測できます。Google広告のコンバージョン測定
ただし、計測したい行動を決めずに広告を始めると、「クリック数は分かるが、問い合わせにつながったか分からない」という状態になります。
広告を始める前に、何を成果とするかを決めましょう。
また、電話や商談など、ホームページの外で発生した成果もあります。
問い合わせを受けたときに「何を見て知りましたか」と確認するなど、データだけに頼らない方法も組み合わせます。
古いホームページでも広告を始められるか
ホームページのデザインが古いからといって、必ず全面的に作り直さなければならないわけではありません。
次の状態であれば、必要なページだけを修正し、広告を始められる可能性があります。
- スマートフォンで問題なく見られる
- 広告で紹介するサービスのページがある
- 会社情報や実績が正しい
- 問い合わせ方法が分かる
- フォームや電話が正常に使える
- 効果を確認する仕組みを設定できる
反対に、次のような場合は、広告より先にホームページ全体の見直しを検討します。
- スマートフォンで正常に表示されない
- 会社名、住所、電話番号が古い
- ホームページを管理できる人がいない
- 修正を依頼できる窓口がない
- 問い合わせフォームが動かない
- 広告で紹介したいサービスの情報がない
- 実際の事業内容とホームページの内容が異なる
- 計測用の設定を追加できない
判断基準は、見た目が新しいかどうかではありません。
広告をクリックした人が必要な情報を確認し、安心して問い合わせできる状態かどうかです。
広告を始める前の確認手順
広告を検討するときは、次の順番で進めると、無駄な出費を減らせます。
1.広告の目的を決める
問い合わせ、見積依頼、採用応募、資料請求など、何を増やしたいのかを決めます。
一つの広告で営業と採用の両方を狙うのではなく、目的を分けた方が内容を明確にできます。
2.広告を届けたい相手を決める
業種、地域、会社規模、担当者、困りごとなどを整理します。
「すべての企業」ではなく、自社が対応したい相手を具体的にします。
3.クリック先のページを決める
広告の内容に最も近いページを選びます。
適切なページがなければ、ホームページ全体ではなく、広告用のページを一つ追加する方法もあります。
4.問い合わせまでの流れを確認する
スマートフォンでページを開き、電話やフォームから実際に問い合わせを送ります。
途中で迷う場所や、操作できない部分がないか確認します。
5.成果の確認方法を決める
何件の問い合わせがあり、その後どれだけ商談や受注につながったかを確認できるようにします。
広告管理画面の数字だけでなく、問い合わせ後の結果まで追うことが大切です。
広告費より先に、受け皿を確認する
広告は、今まで会社を知らなかった人へ情報を届けるための有効な手段です。
しかし、クリック先のページに必要な情報がなければ、広告費を増やしても問い合わせは増えません。
一方で、広告を始めるために、大規模なホームページを作る必要もありません。
誰へ、何を伝え、どのような問い合わせにつなげるのかを決め、それに必要なページを整えることが先です。
FP Supportersの「ちゃんと見つかるHP」でも、見栄えだけを整えるのではなく、次の点を確認しています。
- 誰に見つけてもらいたいか
- どのサービスを伝えたいか
- 何を見れば安心して相談できるか
- 電話やフォームへ迷わず進めるか
- 公開後に成果を確認できるか
広告を出すことと、ホームページを作ることを別々に考えず、問い合わせまでの一つの流れとして設計します。
まとめ
ネット広告を始める前に、ホームページ全体を必ず作り直す必要はありません。
まず、次の5点を確認します。
- 広告とクリック先の内容が一致しているか
- スマートフォンで問題なく見られるか
- 実績と選ばれる理由が伝わるか
- 問い合わせ方法が分かりやすいか
- 広告の成果を確認できるか
問題が一部のページだけなら、そのページを修正してから広告を始める方法があります。
ホームページ全体の情報が古い、問い合わせできない、管理者が分からないといった問題がある場合は、広告より先にホームページの土台を見直します。
広告のクリック数を増やすことが目的ではありません。
広告を見た人が、自社のサービスを理解し、安心して問い合わせできる状態を作ることが重要です。