「他社には勝てない」と悩む前に。小さな会社が『自社の商圏』で勝ち筋を見つけるための考え方
「うちの技術はどこにでもある」という経営者の悩み
コンサルティングを通してお客様と対話を重ねていると、よくこんなお悩みを耳にします。
「うちの会社でできる技術は、よそでもできるんです。だから、自社の優れている点がなかなか見つからなくて……」
製造業における金属加工技術をはじめ、サービス業でも「ネットで調べれば、うちよりも安くて優れたサービスを提供している会社がたくさんある」と、自信をなくしてしまう経営者様は少なくありません。
実は、このお悩みには私自身も深く共感します。世の中を見渡せば、私よりも優れたサービスやコンサルティングを提供する人はたくさんいるからです。
すでに他社が同じようなサービスを展開していると、「いまさら自社の出る幕なんてないのではないか」と尻込みしてしまうお気持ちは痛いほどよく分かります。
競合を見るべきは「世の中全体」ではなく「自社の商圏」
しかし、どうかそんなことは気にしないでください。
世の中にある多くのサービスは、実際に受けてみなければ本当の良さがわかりにくかったり、他社と比較する機会自体が少ないものがほとんどです。
先行サービスがあったとしても、あなたの周りが「そのサービスに完全に満足している人」ばかりであふれていない限り、勝ち目の可能性は十分にあります。
ここで意識すべきなのは、「世の中全体」と比較することではなく、「自社の商圏」と「そこにおける競合」を見つめ直すことです。
優位性と課題を明確にすることが、行動への大きな一歩になる
コンサルティングの現場で私が何よりも大切にしているのは、この「商圏内での優位性と足りない部分」を明確にすることです。
全国区のトップ企業と比べる必要はありません。自社の商圏内において、競合と比べたときに勝てる部分はどこか。
それを客観的に把握することで、「うちにもこんな強みがあったんだ」と自社に確かな自信を持つことができます。
また、逆に足りない部分があったとしても、商圏という限られた範囲であれば「なぜ負けているのか、何が足りないのか」を具体的に認識し、納得することができます。
このように優位性と課題を整理し、納得感が得られて初めて、人は動くことができます。
「自分たちの強みをしっかりと発信しよう」 「弱みを解消するために、この部分を改善しよう」 というように、次の一手を行動に移すための強力な「動機づけ」が生まれるのです。
商圏という土俵で、あなただけの勝ち筋を見つけよう
全国で一番になる必要はありません。しっかりと自社の商圏を考慮し、そこで確かな「勝ち筋」が見つかればいいのです。
私たちコンサルタントの役割は、お客様と一緒にその勝ち筋を見つけ出し、目の前のお客様が納得して次の一手を行動に移し、実際の成果につなげていただくことだと考えています。
「自社には強みがない」と立ち止まってしまう前に、まずはご自身の「商圏」という土俵をじっくりと見渡してみてください。
きっと、あなただけの勝ち筋が見えてくるはずです。